まもなく梅雨入りという土曜日、素敵な絵本に出会いました。
汐文社(ちょうぶんしゃ)という出版社から出ている「文学ノ情景」(全3巻)というシリーズの中の1冊、「野ばら」という絵本です。

自分の読みたい本や絵本を借りるため、妻は定期的に図書館に足を運ぶのですが、その図書館で紹介されていたようで、私にも教えてくれたものです。それがすごく良かったんです。
・知らなかった「野ばら」、そして著者の「小川未明」を知ったこと。
・そのお話が、今のこの世の中に溢れる「分断」や「対立」につながるもので
深く考えさせられるものだったこと
・絵がとてもとてもとても美しいこと
・巻末に「野ばら」「小川未明」の解説があってとてもわかりやすかったこと
・この解説を書いたのが大分県出身の方だったこと
など、私にはたくさんのポイントが刺さったのでした。
この「文学ノ情景」のシリーズは今年3月に出た新刊です。ホームページの紹介文は…
文豪たちの名作短編小説を、人気イラストレーターたちがビジュアル化。
美しいイラストとともに、小説を堪能するシリーズです。
作品の世界観が眼前に広がり、読者を魅了します。(全3巻)
(汐文社のHPから引用) https://www.choubunsha.com/book/9784811331553.php)
原題は「野薔薇」(漢字!)なんだそうですが、ストーリーはどんなものかというと…
「隣り合う大きな国と小さな国。その国境で大きな国の老人の兵士と、小さな国の青年の兵士がいつしか親しくなっていく。そんなある日、両国で戦争が始まった…」 初出は1920年なんだそうです。
隣り合う大きな国と小さな国なんて、まさにあの戦争と同じ状況ですし、ストーリーの中に出てくるさまざまな要素が対立をイメージします。
そして素晴らしい解説を書いているのが愛知大学文学部教授の藤井貴志さんとありました。藤井さんはジョン・レノンの「イマジン」を引用して、「野ばら」の、そして「小川未明」をわかりやすく解説されています。
1974年生まれの大分県のご出身とのこと。こちらもまたうれしくなってしまいました。
この出版社の「企画力」で、「野ばら」「小川未明」を知り、藤井さんの解説で深く染み込みました。こういうのって「出会う」っていうんだなと思いつつ、知る喜びに浸れたひとときでした。
ちなみにシリーズの他の2つは
芥川龍之介の「ピアノ」と梶井基次郎の「桜の樹の下には」。
解説は全て藤井さんですが、絵は3冊全て、違う方のようです。こちらも読みたくなりました。